2009年1月29日木曜日

Life without israel, isreal?

ボイコット・イスラエル。

と書いたポスターがでかでかと大学内に貼られている。
イスラエルへの反感は根強い。
日本と何の関係があるの?と思うけれど、
アメリカが嫌いな人は、
敵の味方は敵
みたいな理論で持ってイスラエルを嫌悪するのだろうか。
いや、きっと理論じゃない。
気持ちやもんね。

なんて他人事のように分析しようとするけど、
俺の中にもやっぱりイスラエルを嫌う気持ちはあって、
気持ちは理論では拭い去れない。

農業の勉強をしていると、
イスラエルの灌漑効率は世界一だ。みたいな話が出てくる。
灌漑効率は、作物にやった水が、無駄に流れたり蒸発したりせずに作物に行き渡る割合を表していて、日本だと30%くらいだけど、イスラエルは80%くらいになる。
それは、厳しい乾燥気候の中で工夫を重ねてきたからだ。
すごいよね、イスラエルって。
みたいなニュアンスで語られることが多いが、
俺はしかし、すごいよねイスラエルって。と純朴に思うことはできず、じゃあなんでそんなに効率がいいのにパレスチナから水を奪うのか、という憤りが頭をもたげる。

多くの人が、心のどっかでイスラエルを何とかしたいと薄くゆるく思っている。
ボイコットはその何とかする方法の一つなのかもしれない。
賛成はできないけど、理解はできる。

でも、良し悪しは別にして、ボイコットなんて本当に可能なのか。


イギリスのサイトに、イスラエル支援企業のリストがある。

BOYCOTT ISRAEL CAMPAIGN
http://www.inminds.co.uk/boycott-brands.html


例えば、俺がいま受験生だとしたら。
KitKatを買って半分に折って、KitKats(きっと勝つ)とかってゲンを担ごうとしても、
あ、そっか。Nestleはイスラエル支援企業だ。
心の安寧が欲しい俺は、なか卯に行ってKitKatの5倍の値段のカツ丼を食べなくてはいけない。

例えば、俺に恋人がいるとしたら。
春休みにディズニーランドに行こう。とかって言われても、
あ、そっか。ディズニーはイスラエル支援企業だ。
関西に住んでるねんしUSJでいいやん。とかごまかすしかない。

例えば、俺が新しくMacを買いたくなったとしたら。
Apple Storeを散々物色して夢を膨らませたとしても、
あ、そっか。MacのCPUをつくっているIntelはイスラエル支援企業だ。
諦めてAMD製のCPUが入っているパソコンを選ぶしかない。


…これくらいなら意外といけるかも?


と思ったけど、
それでもなんだかこれは、何のためにやっているかわからなくなる。
理論でなくて気持ちから出た行動案であることを考えると、
ストレス解消にはそれでいいのかもしれない。

でも。
なんだか嘘っぽい。
俺はボイコット運動に心を重ねることはできない。



英語のサイトをちょっと見てたら、こんな一文があった。
The boycott of Israel was originated by the Arab League and smacks of the Nazi campaign to boycott Jews in the 1930s.(http://www.zionism-israel.com/Israel_boycott.htm)


これもまた鵜呑みにすることはできない意見ではあるけれど、
なるほど、俺たちがしようとしていることは、弱者と強者の立場が逆なだけで、ある意味でナチスと変わらない。
ナチスの反ユダヤ政策も、感情から生まれたけれど、いまのボイコットよりずっと論理武装されていた。
そして、いまよりずっと闇雲に突き進んでいた。

何が違うのか、
何が違わないのか、
深く考えなくてはいけない。
そんな時間はないけれど。

0 件のコメント: