2010年4月28日水曜日

GW中に読みたい本

こんなに読めるのかな。。
とりあえず羅列。


The Logic of Scientific Discovery (Routledge Classics)The Logic of Scientific Discovery (Routledge Classics)

Routledge 2002-03-29
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ポストモダン地理学―批判的社会理論における空間の位相ポストモダン地理学―批判的社会理論における空間の位相
Edward W. Soja

青土社 2003-06
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よみがえれ!夢の国アイスランド―世界を救うアイデアがここから生まれる (地球の未来を考える)よみがえれ!夢の国アイスランド―世界を救うアイデアがここから生まれる (地球の未来を考える)
Andri Snaer Magnason

日本放送出版協会 2009-10
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マネジメント - 基本と原則  [エッセンシャル版]マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]

ダイヤモンド社 2001-12-14
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土地と日本人 対談集 (中公文庫)土地と日本人 対談集 (中公文庫)

中央公論社 1996-10
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孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生
Robert D. Putnam

柏書房 2006-04
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都市空間における認知と行動都市空間における認知と行動

古今書院 2000-03
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庶民の発見 (講談社学術文庫)庶民の発見 (講談社学術文庫)

講談社 1987-11-04
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遊水地と治水計画―応用地理学からの提言遊水地と治水計画―応用地理学からの提言

古今書院 1985-10
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タイ王国の水資源開発―歴代為政者たちの水資源政策タイ王国の水資源開発―歴代為政者たちの水資源政策

現代図書 2008-05-02
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2010年4月26日月曜日

誕生日でした。

昨日、誕生日でした。


大学院の懇親会で、
思いがけずケーキをもらった。
うれしいサプライズ。
あったかい場所だなーとつくづく思う。

そして、
毎回俺の誕生日を忘れてる親だけど、
昨日は父親が電話をかけてきた。
おめでとう、と言う。
電話越しだとお互い、いつもに増して口べたになるから、うまく話せない。
でも、うまく話せないのにがんばって話そうとするから、
その不自由さを通して想いって伝わるんじゃないかな、とふと思う。
うれしい。


いい誕生日だった。




こないだ友達に会ったとき、
「こんなに充実してるゆんは見たことがない!」
と言われたけど、確かにそれは俺の実感と一致する。

こんなに充実した自分を他に知らない。

こういう言い方をするとなんか重い感じするけど笑、
人生がこんなに楽しくなるなんて思ってなかった。

歳をとるごとに生きることが楽しくなっていく。
だから誕生日が楽しい。うれしい。
そういう感覚が、初めてだ。

前はそんなことなかった。
この一年にどんなことがあるのか、何も想像できない。
歳をとっても何も変わる気がしない、
これからくる一年のからっぽさを思うと怖くなった。

歳を取ることがからっぽで、
つまりは生きていくって、もっとからっぽなことだとと思っていた。

でも、
泣いたり笑ったり、
怒ったり怒られたり、
祝ったり祝われたり。

そんな風に、いきいきと揺れながら生きていたい。
そして今は割といきいき生きれてる気がしている。

いい年にします。

ありがとう。

2010年4月22日木曜日

平野 秀樹「奪われる日本の森―外資が水資源を狙っている」

奪われる日本の森―外資が水資源を狙っている奪われる日本の森―外資が水資源を狙っている

新潮社 2010-03
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俺らの知らんうちに外資が森を買っていて、
油断していると森も水も奪われてしまうんじゃないか、
という内容の本。


日本の森は、
その6割で国土調査が終わっていない。
森はここまでは誰のものでここからは誰のものだ、
という所有関係がはっきりしていない。

その上、林地市場は不透明だ。
農地は農地法によって監視されているし、
宅地の売買は衆目が集まる。
しかし、林地の場合は、
周囲に知られたくない売り手と、世間に気付かれたくない買い手が、
山奥でこっそり売買を成立させてしまう。

こっそり森が、奪われていっている。
というのがこの本の主旨だ。
でも、こっそりだから証拠はあんまりない。という。
だからあんまり信憑性はない。
完全に嘘ではないにしても、
どこか筆者の妄想であるように思える。
陰謀論ぽい。


けれども、
森が奪われているというのが妄想だとしても、
この本が指摘する日本の法制度上の問題点は興味深い。

ひとつは、外資の買収に対する規制が弱いこと。
ふたつめは、土地所有権が強すぎること。
そしてもうひとつは、地下水利用のルールがないこと。




1点目。
外資の買収に対する規制としては、
航空法、電波法などの個別法に加えて、
「外国為替及び外国貿易法」(外為法)という法律が存在する。
Wikipediaによると、

外為法にもとづき、以下のような外資規制が設けられている。

・対内直接投資に関する条約等がない国(アフリカ・中央アジアの一部)からの投資
・上記以外の国からの場合は、航空機、武器、原子力、宇宙開発、エネルギー、通信、放送、鉄道、旅客運送、石油、皮革等の産業に対する投資

上記に該当する投資については財務大臣及び主務大臣への事前届出が必要となる。審査の結果、投資内容の変更又は中止の勧告を実施する場合がある。
上記に該当しない投資についても、15日以内に財務大臣及び主務大臣に報告しなければならない。
Wikipedia - 外資規制

ということでわかりにくいけど、つまり、

外為法で指定されたもの → 事前届け出で許可が必要
外為法で指定されていないもの → 許可不要で、事後報告でいい

ということらしい。 
不動産は、後者に当たる。

規制緩和だ規制緩和だと声を荒げている欧米諸国は、
もっとちゃんと安全保障を脅かすような買収への対抗策を用意している。
例えばアメリカでは、通称「エクソン・フロリオ条項」と呼ばれる制度があって、
これはちょっとまずいんじゃね?という買収は、大統領権限でストップさせられる。





2点目。
日本の土地所有権が絶対的だということ。
この点に関しては、省略します。
「日本は土地収用もまともにできないダメな国だ」
というニュアンスの書き方がしてあって、俺は好きになれない。

土地収用は、今でもやってるし、
無理矢理国民を立ち退かせて山に穴をぶちあけることができるのが、
果たしていい国なのか。
そういう疑問を払拭しきれない。

でも今、
司馬遼太郎の「土地と日本人」という本を読みかけていて、

土地と日本人 対談集 (中公文庫)土地と日本人 対談集 (中公文庫)

中央公論社 1996-10
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司馬遼太郎は、野坂昭如との対談の中で、

成田空港だって、土地を渡すのはいやだといって頑張っている人には、土地に対する思想が小規模ながらあるわけね。買収に行くほうにはない。金で解決できると思っている。思想を持っているおじさんが頑張るのは当たり前だよ。要するに、日本にいちばん欠けているのは、地面に対する思想ですね。野坂さんは変な顔して聞いているけれども(笑)、ぼくはみんなでこの思想を確立することをやらなければ、日本の何もかもが滅亡するんじゃないかと思う。(司馬遼太郎「土地と日本人」)

と言っている。
そのことばに、なんだか深く共感する。
「土地に対する思想」が何なのかはわからないけど、
土地収用ができるできないとか、そういう表面的なことよりずっと大事なことだと思う。





3点目。
日本では、河川など、地表を流れる水に関しては、
水は公共のものであると認識され、その使用や汚染をコントロールする法制度がつくられてきた。
しかし、地下水は、公共のものか個人のものか議論が分かれており、
そのため地下水に関する法律は整備されていない。

法的には土地の所有権について「法令の制限内に於いて其の土地の上下に及ぶ」(民法207条)としていることから、地下水は私有財産とされているが、公水とする判例もでている。現在まで国の各省庁による議論が行われてきたが、定まった・統一された地下水に関する考え方はない。(Wikipedia - 地下水



以上。
興味深いけど、でも内容がちょっと怪しい。
買うほどの本じゃなかった気がする。

2010年4月18日日曜日

最近買ったCDと買おうと思うCD

忘れないように。



とりあえず買ったやつ4枚。


Life Goes OnLife Goes On
アナログフィッシュ

ブルースインターアクションズ 2010-02-10
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アナログフィッシュは、自律神経失調症で脱退していたドラマーの人が戻って、
再び三人になった。
1年半ぶりのアルバム。

昔はもっと大味な音だったけど、
だんだん深みが増していく。
すごい。


76:1476:14
Global Communication

Sbme Special MKTS. 2008-03-01
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Global Communicationは、名盤!必聴!みたいな宣伝文句でタワレコに置いてあって、
1000円だしまあ買ってみようか。的な感じで買った。
したら、さすが名盤というだけあって、さすがの出来。
主張しすぎず、それでいてうねるように変化していく。
BGMにちょうどいい感じ。



Y34RZ3R0R3M1X3DY34RZ3R0R3M1X3D
Nine Inch Nails

Interscope 2007-11-20
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このアルバムは、「Year Zero」のRemix盤。
と同時に、リミックスに必要な音素材がすべてDVDに入っていて、
購入者は自分でリミックスを楽しむことが出来る。
Nine Inch Nailsの、こういうサービス精神(?)をとても尊敬する。

Nine Inch Nailsは、去年末のツアーを持って活動休止が発表されている。
でも活動再開を臭わせたりしていて、今後が気になるところ。
公式サイトで最後のアルバム「The Slip」が無料ダウンロードできる。



落雷落雷
ピロカルピン

グララーガ 2009-08-05
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買ったのはこれじゃなくて、タワレコ限定シングルの「虹の彼方」というCD。
アマゾンに画像がないのでこっちを載っけてます。
1曲入り100円。
でも、ポストチャットモンチー的なポジションである割にはパンチが足りない。
まあお試し用の曲だからそれくらいのクオリティなのかな。

こっちの、「落雷」は割といいアルバムだったと思う。
まだ今後に期待。






あと、買いたいCD。


Cosmogramma [初回限定スペシャルアウタースリーブ仕様輸入盤]Cosmogramma [初回限定スペシャルアウタースリーブ仕様輸入盤]
Flying Lotus

WARP RECORDS 2010-05-01
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最近存在感を増すFlying Lotus。
4/20発売。楽しみ。





Moenie & KitchiMoenie & Kitchi
Gregory & the Hawk

Fatcat 2008-10-07
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Mice Parade系。
ていうか、Mice Paradeのひとがプロデューサー。
Múmの脱退した女性ボーカルのような、
細くて折れそうで、それでいて強い美しさがある歌声。




Been Meaning To Tell YouBeen Meaning To Tell You
アーネスト・ゴンザレス

Moamoo / Art Union 2010-02-17
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名前的に、南米の暑苦しいノリかなと思ってたら、とんでもない。
なんだこの涼しげな音は。ローファイな音の使い方がうまい。
これはもう、Four Tetを超えているかもしれない。



A journey to freedomA journey to freedom
DE DE MOUSE

rhythm zone 2010-04-07
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これはジャケ買いやろ!
吉田明彦の魔力!



Modal SoulModal Soul

インディーズ・メーカー 2005-11-11
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このCDは名盤だと思う。
Nujabesのご冥福をお祈りします。

2010年4月13日火曜日

パウロ・フレイレ「被抑圧者の教育学」

被抑圧者の教育学 (A.A.LA教育・文化叢書 4)被抑圧者の教育学 (A.A.LA教育・文化叢書 4)

亜紀書房 1979-01
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要は教育は一方的じゃなくて、互いに学び合って気付いていかないといけない。
みたいなことが書いてある本だ。と思う。
いや、もっと深いことを言ってるよね。。
詳しくは読んでください!笑


言ってることはわかる。
わかるけど、
一方的ではいけない!ということを一方的に教えられるようで、
どこか引っかかってしまう。


あ、ふと思ったけど、
こないだ対話について引っかかってたのはたぶん、
「対話はいいものだ」という価値観だけは、対話抜きに前提としてしまう、
してしまうっていうか、対話の価値を前提として認めないと何も始まらない、
そんな現実に戸惑っていたのかな。


↓香山リカの本を読んだ時も同じような引っかかりがあったけど、

「しがみつかない生き方」にしがみつく
http://notchained.blogspot.com/2009/10/blog-post_12.html

どうもそういう細かいことを気にしてしまう性分らしい。
神経質だとよく言われる。


たぶん、
深く突き詰めても答えは出ない。
好き嫌いというか、もはや道徳の部類だと思う。
理屈以前の問題なんだ、きっと。



まあパウロ・フレイレ自体は、すごいと思った。
今はまだぼんやりとしか理解できないけど。
また時が来れば読み返す。

2010年4月11日日曜日

おなかいたい。

笑い過ぎとかではなくて、
便秘でお腹いたい。
今日はこれでもかというくらい食物繊維を採りつつ、
一日中部屋でぐったりしていた。

キャベツ、
焼き芋、
プルーン、
玄米フレーク。

もう致死量じゃないこれ?笑




外見通りというべきか、
俺の胃腸は非常にナイーブで、
よく便秘になる。
その原因は、たぶん食べなさすぎだ。
今回もたぶんそれ。

最近なんか慢性的に食欲がない。
というと語弊があるか。
食べ物を前にすると食欲が湧いてくるけど、
なければお腹が空かない。みたいな感じ。
とにかく自分の感覚があてにならない。

なんか体と感覚が一致しなくなってくる。
運動すれば治るのかな。
うーん。。

2010年4月9日金曜日

くるり「竹田の子守唄」




この曲を岸田繁が歌っている音源は、
すたあと長田というNGOのチャリティアルバムに収録されていて、
いまはたぶんほぼ入手不可能なんじゃないかな。

Radioheadの「How To Disappear Completely」を彷彿とさせるアレンジ。
さすがくるり。
そして、名曲だな、と思う。

この曲はでも、1990年まで放送禁止だった。

この曲は京都、大阪の複数の被差別部落に伝わる守り子歌(子守の仕事をしている子供の労働歌)である。 この民謡・歌曲が注目されたきっかけは1969年にフォークグループの「赤い鳥」が演奏したことである。しかし、そもそもは住井すゑの『橋のない川』が舞台化される際、音楽担当であった尾上和彦が被差別部落の一つである京都の竹田地区で採集した民謡を編曲して使ったもので、それが竹田地区の部落解放同盟の合唱団のレパートリーとなり、フォーク歌手たちにも広まったと考えられている。尾上和彦が採集したのがたまたま竹田地区であったので、「竹田の子守唄」とされた。それ以前は題名がついてなかった。
Wikipedia - 竹田の子守唄

この歌詞が、部落問題と関係あるとかないとか言われているけれど、
その辺の重箱の隅をつつくような話は、俺にはよくわからない。
でも、子守唄が部落で歌いつがれるのには理由がある。

 明治に近代化が始まり、工場などの賃金労働者として若い女性たちもかり出されます。当然、部落の女性たちも子守よりは条件のいい工場へ行こうとしますが、そこで就職差別にあいます。仮になんとか勤めたとしても、一緒にご飯を食べさせないなど様々な残酷な差別がありました。そして、泣く泣く家に帰ってくる。そうすると部落の子どもたちに残された労働手段は、内職や守り子しかなかったのです。それで、うたい継がれた子守唄は長く、部落の中に残ったのだそうです。
http://www.beats21.com/ar/A04021902.html



俺がいま大学院にいる理由は、
この「竹田」と少し関係がある。

という話を書こうと思ったけど、
なんかうまく書けないな。。
たぶん、難しい問題だから。
また日を改めます。




ちなみに、Wikipediaの文章に出てきた住井すゑの『橋のない川』は、
被差別部落を舞台にした小説。名著であると言われている。
読もうと思いつつまだ読んでない。

橋のない川〈1〉 (新潮文庫)橋のない川〈1〉 (新潮文庫)

新潮社 2002-06
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2010年4月8日木曜日

「対話」についての雑記

友達のブログを見てインスピレイテド。


ネガティブな「対話」観
http://12768.blog17.fc2.com/blog-entry-32.html


「ワールドカフェ」「OST」「AoH」などなど海外の実践を追いかける動きや
ハウツー本に載る「こうすればうまくいく」対話法、的なもの。


これらの動きには「何か違う」と感じてしまう。
一様に感じるのは、どうも「ポジティブ」過ぎる感が否めないところです。


「対話しようよ」と呼びかけて人が集まれば、対話できてしまうのは当然だろう、
などと思ってしまうのです。



という辺になんか共感するところがある。

以下、適当に思ったことを書きます。
雑です。
たぶんファシリテータのひとが読んだら、
「ええっ?それはひどい誤解だ」と思うこともあるけど、
まあその辺は適当に読み流してね。



ひとつめ。

ワークショップという枠の中で対話をするのは、
「日本文化」という枠の中で生きていくのと同じなんじゃないか。
と、時おり思う。

それはどういう意味かというと、
結局、何かしらの枠が必要になるということ。
枠の中に閉じ込められて、
その枠の、鼻先がぶつかりそうな狭さに駆られてはじめて、
対話は可能になるということ。




建築史学家の藤森照信は、著書(↓)の中で、

建築史的モンダイ (ちくま新書)建築史的モンダイ (ちくま新書)

筑摩書房 2008-09
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「団らん」が生まれたのは、
火があるところに人が集まって来て、なんだか楽しげに話し始めたのではなくて、
ただ暖をとりたいという利己的な理由で火のそばに行ったのに、
なんか隣には人がいて、ちらちらこっちを見てくる。
その息も詰まりそうな沈黙に耐えきれずに、話し始めたのではないか。
「団らん」はそうして、消極的に生まれてきたものなのではないか、
と言う。
根拠は何もない想像だ、と付け加えながら。


ちょっと待て、それは対話じゃなくて会話じゃないか。
いっしょにするな。と言われるかもしれない。

でも、俺が気になるのはまさにそこ。
対話という意味を辞書で調べると、

[名](スル)向かい合って話し合うこと。また、その話。「市長が住民と―する」
Yahoo!辞書-大辞泉

とあるけれど、
向き合って話せばそれは対話かというと、
そんなことはないんじゃないか、という点。
対話と会話の境界というのは非常に曖昧で、
対話と思っているのが実は会話かもしれないし、
会話と思っているのが実は対話かもしれない。


例えば、話したくないけど話さざるを得ない状況で話すのが対話だとするなら、
上の団らんだってある意味で対話なのではないかとか。

しゃべりたくてしゃべるのが会話だとするなら、
対話をしたくてくるひと同士がワークショップで話すとき、それって会話じゃないのかとか。

そしてそれはどちらも、
話すシチュエーションに置かれることでしか発生しない
(そのシチュエーションに自分から飛び込むかどうかの違いはあるにしても)
コミュニケーションであることとか。


会話ってなに?
対話ってなに?

そして、対話を起こすのに必要な環境というのはなんなんだろう。

俺にはまだよくわからない。




もひとつ。

対話とコミュニケーションは違う。
平田オリザは、中学校で劇を作る時のことをこう書いている。

たとえば、朝の、先生が来るまでの授業の風景を子どもたちと考える。
「朝は、みんな、どんな話をするかな?」
と聞くと、たいてい、優等生的な子どもが、
「宿題の話をする」
とか、
「運動会が近いから運動会の話をしよう」
と答える。そこで、少し黙っている子にも話を振ってみる。
「君は、どう、何を話す?」
と尋ねると、たとえば、
「話さない」
という子どもがいる。
「いつも寝ているから話さない」
と言うのだ。
「あぁ、いいね、いいね、話さない子の役も作ろう」
ということになる。まだ他の子にも聞いてみると、
「いない」
と言う子もいる。
「いつも遅刻寸前で来るからいない。いないから、他の子が何を話しているかも知らない」
と言うのだ。私は、
「いいね、いいね。じゃあ、遅刻してくる子も作ったらどうだろう」
と話を進める。こうしてできた芝居は、優等生的に、全員が宿題の話をしている班よりも、圧倒的に面白くなる。それは子どもたちも観ていればわかる。このことを通じて、話さないことも、いないことさえも、コミュニケーションの一つなのだということに気がついていく。
(平田オリザ「演劇のことば」)

演劇のことば (ことばのために)演劇のことば (ことばのために)

岩波書店 2004-11
売り上げランキング : 292048

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「話さないこと、いないこと」も、コミュニケーションだ。
でも、対話ではない気がする。
向き合っていないから。
話さない人やいない人と対話をする術を、俺は知らない。

その人と向き合えなくても、
その沈黙や不在と対峙することが、あるいはできるのかもしれない。
けれど、できたとして果たして、それは必要なのだろうか。

そもそも、
「話さないこと、いないこと」というコミュニケーションは、
日常生活で必要なものなのか。

平田オリザはそのコミュニケーションのかたちを
「圧倒的に面白くなる」という言葉で肯定している。
けれど、面白くなるのは演劇であって、
実際の生活ではない。

話したいし、いてほしい。
そっちのほうが面白いに決まってる。




最後にもひとつ。

ほんとうの対話というのが、
話したくないものを話す、
見たくないものを直視する、
そういうことだとすれば、
「ほんとうの対話」というのはフィクションなんじゃないかと思う。

きっと俺たちは、話したいことしか話さない。
そして、聞きたいことしか聞かない。
「話したくないこと」「聞きたくないこと」がいつの間にか
「話したいこと」「聞きたいこと」に変わる、
そのプロセスがむしろ重要だ。
話される中身の絶対値よりも、
変化量が大事なんだ。

つまり、
どんなことが話されたかよりも、
どういう風にして話されたかに、目を凝らさないといけない。

なので、
「対話しようよ」と呼びかけて人が集まって、
かなり重たい話をしたことをもって「対話ができた」と言っても
それはたぶん絶対値の話に過ぎない。
みんな対話しようと思って来ていて、
気持ちの変化量は、それほど大きくない。

対話したくないひとが対話するとき、
それは「ほんとうの対話」になるけど、
そんなシチュエーションあるのかな。



‥自分でも何を言ってるかよくわからない。
とりとめがないのでこの辺で終わり!

雑やなーしかし。。ぜんぜん考えがまとまらない。
最後まで読んでくれた人、ごめんなさい。