2011年9月17日土曜日

与作は、木を伐る。俺は、何をどうする?

牧歌的。

とふと口にしたときに、牧歌ってそういえばどういう意味か知らないなと思ってグーグル先生に聞いてみる。

ぼっ‐か【牧歌】ボク‐
1 牧童などのうたう歌。
2 牧人や農民などの生活を主題とした詩歌。田園詩。パストラル。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/204408/m0u/
ということはこれは、牧童が牧畜してるさまを、農民が農業してるさまを描いてるってことですよね。
つまりは、労働について歌った歌ですよね。

じゃあ「牧歌」を「労働歌」と言い換えられるかと言えばそんなことはなく、

「あの街って牧歌的ですてきだよね」

と言うべきところを、

「あの街って労働歌的ですてきだよね」

というと、「あの街」はきっと悲壮感が漂っている殺伐とした光景で、
すてき、という言葉は皮肉にしか聞こえないか、
あるいは、労働組合とか学生自治会で運動したくてたまらないんだぐへへへ、みたいな運動フェチだと思われかねない。

「牧歌」と「労働歌」の間にある、
絶望的なまでのイメージの差はなんなんだろう。
「労働」ってなんなんだろう。

 
 そもそも労働歌って何なのかよくわからないけど、
↓これとか労働歌ですよね。 あってる?


与作にとっては、木を伐ることが「労働」だ。
木伐(こ)りが木を伐らずに何をするというのか。

だって名前にやること書いてあるやん。

あからさまに。


羊飼いとか、
マッチ売りとか、
籠担ぎとか、
名前にして名詞と動詞がすでに装備されているのがすてきすぎる、
みたいなことを尾田栄一郎が、
短編集の人食いの話のあとがきに書いていた気がする。


そんなふうに、かつて「労働」が何を指すのかは明快だった。
きちっと定義されていた。

でもいま、俺にとって「労働」って何なのか、分からない。

与作が木を伐るように、
俺は、何をどうすればいいのだろう。


という俺のこのニッチな悩みは、
牧歌的なのか労働歌的なのか。
どっちだろう。

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