2016年10月24日月曜日

ノーベル賞受賞の連絡に返事をしないボブ・ディランは傲慢だ!の原文(は調べられなかったけど)


「ノーベル賞受賞の連絡に返事をしないボブ・ディランは傲慢だ!には実は続きがあった」という見出しが視界に入ってしまったので。気になって調べた。(英語あんまり得意じゃないので間違ってたらこっそり教えてください...)


問題は、「「ボブ・ディラン氏は無礼で傲慢」ノーベル委員長が苦言」という見出し(今は変更されている)の朝日新聞の記事。中身を読むとこんなことが書いてあって、

同賞を選考したノーベル委員長のペール・ベストベリィ氏が21日、「無礼で傲慢(ごうまん)だ。でもそれが彼ってものだ」と苦言を呈した。
http://www.asahi.com/articles/ASJBQ5KBCJBQUHBI012.html


あれ、でも「でもそれが彼ってものだ」って、実はボブ・ディランを尊重してるんじゃない? いやあ、ノーベル賞委員会はロックだなあ。見出し詐欺かよ。という、「解釈」が広まっている。

けど、Googleでニュース検索してみると、だいたい海外メディアも同じように「苦言を呈した」系の見出しを掲げている。朝日新聞はもとの見出しのままでよかったんじゃないかという気がする。

https://www.google.co.jp/search?q=Per+Wastberg&tbm=nws

これの原文はどうやらスウェーデン語らしいので読めないけど、APの記事が原文に近そうだった。
"One can say that it is impolite and arrogant. He is who he is," Wastberg was quoted as saying in Saturday's edition of the Swedish newspaper Dagens Nyheter.
https://apnews.com/c5f428cc06554155b7f4ee5a64e817b3/Nobel-academy-member-calls-Bob-Dylan's-silence-'arrogant
英語あんまり得意じゃないけど、「これは無礼で傲慢なふるまいだと言える。彼はそういう人間だ」という感じで、「でも」とかいう接続詞を勝手に補う必要はなかったんじゃないかという気がする(もちろん、スウェーデン語の原文は逆接だった可能性はある)。この発言のニュアンスはあんまり読み取れないけど、Wastberg氏は「俺は反対したんだよね。うまくいかないって言ったのに、それ見たことか。あーあ」みたいなボヤキを言いたい系の人なんじゃないだろうか、とか邪推したりした。

ということで、俺の中での結論は「続きはあったけどニュアンスいっしょじゃない?」でした。おしまい。

追記(2016/10/24):
以下のブログ記事で、スウェーデン語の原文も含めて詳細に検証されていた。最近このブログに行きつくことが何度かあって、いつも丁寧に調査されていて頭が下がります。

  【確報】「無礼で傲慢」とノーベル賞選考関係者はディランを評したのか 
http://ibenzo.hatenablog.com/entry/2016/10/22/235930

たしかにそんなきついニュアンスではなさそうかも。うーん。

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